10 February 2022
Written by MST Translation
気が付けばもう2月、2022年初めてのブログです。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
皆さまはどのようにお正月を過ごされましたでしょうか。
中国では2月1日に旧正月の春節を迎え、その3日後には北京オリンピックが開幕しましたね。コロナ過であらゆる制限、負担があることと思いますが、全世界の選手の方々が安全に、安心して力を発揮できることを願い、テレビの前からエールを送る日々です。
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さて、もう10年以上前のことになりますが、これは私のとある年末年始の体験談です。
イギリスの大学に在籍していた時のことです。
冬休みに入ると、留学生の大半は母国へ帰って過ごしていました。イギリス人の友人らは、残ったメンバーに声をかけ、みんなで集まってお酒を呑みながら、カウントダウンパーティーを企画したりしていました。
しかしその年、私はふと「日本ではない場所で年始を一人で迎えたいな・・」と思いました。とはいっても、そんなにお金はかけられません。近場で、どこか良いところはないかと考えた末、スコットランドに行くことに決めました。
実はスコットランドを選んだ理由の大きな一つには、スコッチがありました。
出発に向けていそいそと私が荷造りをしていると、当時住んでいたシェアハウスのパパに100ポンドを渡されました。
「Glenmorangieを買ってきてくれないか?」
パパはウイスキーが大好きで、シェアハウスの仲間たちでよく一緒に飲んでいました。
「イギリスのウィスキーもいいが、やはりスコッチは本場が最高だぞ!!」
パパにすすめられ初めて口にした時、何てまろやかで飲みやすい、美味しいシングルモルトだ!と感動したことを覚えています。そうして私は、100ポンドを握りしめ、素敵なスコッチとの出会いを求めて旅立ったのです。
ひとり旅だったので写真をほとんど撮らなかったのですが、やはり記憶に残っているのは「ウィスキー博物館」です。観光スポットとしても有名ですよね。
博物館にはいるとグラスに入ったウィスキーを渡され、まるでどこぞの遊園地のトロッコみたいな乗り物に乗せられて、ウィスキーの製造過程をまわって行きます。
「あ、なんかいい気分だな。」というところで、ツアー終了です。
ふわふわとした気分で歩いていると、目の前に現れるウイスキーの販売店。一緒にトロッコに乗っていた仲間も私も、吸い寄せられるように店内に入り、そこでパパと自分用のスコッチを買いました。
大晦日には首都のエディンバラを訪れ、ふらっと立ち寄ったパブで食事をしました。そこで1年の締めくくりに選んだメニューは、ハギスです。ハギス、日本ではあまり馴染みのない料理かなと思います。茹でた羊の内臓(ミンチ)を刻みタマネギやらハーブやらと一緒に羊の胃袋に詰めて、また茹でる、詰め物料理です。スコットランドの最もポピュラーな伝統料理のひとつで、何よりスコッチの最高の相棒です。が、スコットランドを訪れる外国人からは、その調理の仕方からか、案外敬遠されているとも聞きます。
事実、私がオーダーすると、店員さんから「本当に食べるのか?」と心配されました。(パブの店員さんはフレンドリーな人が多い)レバーやホルモン等の内臓が大好物な私は、「もちろん!」と即答しました。そうそう食べられるものではないので、じっくりと味わって頂きました。スコッチとの相性は抜群で、非常に美味しかったです。いつか我が家でもハギス作りにチャレンジしてみたいものですが・・調理過程を考えると、これはまず家族と要相談ですね。
最高のディナーを堪能した後はホテルに戻り、部屋でのんびり過ごすことにしました。ウイスキー片手にテレビを観ながらうとうとしていると・・・外から「ドカーン」という爆発音。花火でした。窓の外を見ると、空を見上げながら楽しそうに笑いあう人がたくさんいました。そうか、年が明けたんだ、ちょっと外に出てみようかな・・と思いながら、そのまま子供のように眠りにつきました。
翌日は二日酔いでしたが、ひとつ大人の階段を上ったような気分で、シェアハウスへと戻りました。そんな22歳のスコットランド大冒険でした。
MST Translation 代表M
ドイツ、イギリス、オーストラリアで、約10年生活していました。現在は日本にて在宅ワークで翻訳業の傍ら、バリキャリ妻に代わって主夫業、子育てを兼業。海外生活時の体験談など、のらりくらりと書かせて頂ければと思います。海の向こうの世界に行くことが中々難しくなってしまいましたが、また皆が笑顔で行き来出来ることを願って。